Keith Emerson(キースエマーソン)
ロックキーボーディストの中でも特に有名な、Keith Emerson(キースエマーソン)。
ギターにしても、ベースにしてもドラムにしても、各楽器には伝説的プレイヤーはいるものである。
ギターで言えば地味変や、ギターオタク。
ベースならジャコパストリアスや、お前それギターでやれよさん。
ドラムなら神様や、ボンゾさん。
ではキーボーディストなら誰だろう??
ロックキーボード界ならキースエマーソン一択でしょう。
異論は。。。。受け付けます。
キースエマーソンと言えば四大プログレバンド、
PINK FLOYD,KING CRIMSON,YES,EMERSON LAKE &PALMER(ELP)
の一角である、ELPのキーボーディスト。
そして四大プログレバンドの中でも特にELPは異質である。
キーボード/ベース/ドラムというトリオのみでの編成。トリオならでの音数の多さ。
あっそういえばジェネシスのことも忘れないであげて下さい。
キースエマーソンはそんな伝説的プログレバンドELPの中心的存在。
キングクリムゾン出身のグレッグレイクに、各所から「あいつ下手なんじゃないか?」と噂されるカールパーマー(違うんです!!ちょっとリズムがよれるだけなんです!!)を率いて結成。
キースエマーソンのキーボードプレイを中心に据えたELPサウンドは今聴いても圧倒的なかっこよさである。
そんなキースエマーソンですが、、、、
ロック界三大キーボーディストは誰かと言われれば、ジョンロード、リックウェイクマン、キースエマーソン。
この中でも特にキースエマーソンが頭一つ抜けていると思う。
もちろん単純なテクニックであれば、人間シーケンサーのリックウェイクマンに軍配が上がるだろう。
だが、影響力という点でキースエマーソンがロックキーボード界に残したものはとてつもなく大きい。
キースエマーソンとその他のキーボーディストの違いはやはり、ギターを排してキーボードを中心としたロックスタイルを築き上げたこと。
ジョンロードもリックウェイクマンも偉大であることは間違いない。
しかし、ロックにおいてはやはりギターの存在感は大きい。キーボードは立ち位置としてはどうしてもサブに回らざるを得ない。
YESはそれほどギター中心というわけではないが、かといってキーボードが中心であるわけでもない。
だが、ELPはどうだろう?
ギターがなくたってロックは出来るぞ!!と言わんばかりにキーボードをかき鳴らす!!!
キーボード中心のリフでかっこいいロックが出来ることを証明してくれたキースは偉大です。
また、ELPにおいてキースが提示した方法論で、上原ひろみにまで影響を及ぼているものといえば、
低音での左手アルペジオ。
たとえばこれ
これぞエマーソン印の左手アルペジオ!!!
そして、、、、、
いやーさすがELP!!!鉄板のリズムの安定しなさ!!
ドリームシアターだったら許されないような、ユニゾンの合わなさ!!!
そう、ELPの連中はとにかくリズムが甘い。でもそこを含めて彼等の個性です。
四大プログレバンドの中で、もっともロックな存在だったと感じます。(ギターがいないにもかかわらず。)
そしてキースのソロですが、、、、やはり彼は最高です。リックウェイクマンのような完璧さはなく、とにかく人間っぽい。
エッジーな音色に、荒々しいギターライクなフレーズ。キーボードは楽器の性質上、感情を表現するのは他の楽器と比べても難しいですが、彼は別です。
これほどまでに、人間っぽさを表現しながら弾くキーボーディストもいない。
あと、ご覧になって分かるように彼はパフォーマンスも凄い。
この時期はそうでもないですが、全盛期はナイフをオルガンにぶっ刺しています。
おまわりさん、こいつです!!
この映像はキースエマーソンが2008年に来日した時にとくだねに出演した時の映像。
とくだねを観ている奥様方は、「誰だこのおっさんは?」って思ったことでしょう。
そして、この映像を観て、
え?キースエマーソン下手じゃね?
と思った方。
実に鋭い。
この来日の時私も公演を観に行ったのですが、、、、、
あれ???物凄い下手。
と思いました。
これには事情があるのです。
キースエマーソンは右手に手術を施しており、もはや昔のように右手が動かないのです。。。。。
しかし、あまりこのことを本人はアピールしていないので、知っている人も少ない。
だから、今キースエマーソンを見た人は、この方を単なるピアノが下手なおっさんだと思ってしまうでしょう。
違うのです!!!!
右手がまともに動かないのに、それを言い訳にしないプロ中のプロ!!!!
やはりカリスマです。
キース以後、ロック界にはキーボードヒーローは現れていないように思う。
インタビューでキースが「ジョーダンルーデスがいるじゃないか」と言っていたのが印象的でしたが、「ヒーロー」となるとやはりキースには及ばない。
最後にキースエマーソンとオスカーピーターソンという異色の組み合わせ。。。。
キースのあのアクの強さは彼の独特なリズム感とタッチの強さにあるのでしょうね。。。。。
キースエマーソンでした!!
Emerson Lake&Palmerの数ある名盤のうちの一つ、「Tarkus」。
空想上の怪物タルカスが地上を駆け巡るコンセプト。
一曲目のタイトル曲は、まさにキースエマーソンというような左手アルペジオ。
不気味でいながら、空想上の生物であるタルカスが火山から出てくる様子を上手く表現している。
この左手アルペジオはその後多くのキーボーディストに影響を与えている。特に日本が誇る上原ひろみさんも、「XYZ」等でタルカスちっくな左手アルペジオを多用している。
20分の大曲であり、ストーリー性を持っており展開が多い。
音楽で一つの物語を表現しているようである。キーボードプレイが暴れている作品を聞きたいのであれば、他のアルバムの方がおすすめですが、名盤だけあって期待を裏切らないような作品になっていると思います。
タルカスに並ぶELPの名盤「恐怖の頭脳改革」。
このアルバムの目玉は何と言ったって、曲の長さが30分近い「悪の教典#9」。
第一印象、第二印象、第三印象と三つのパートに別れているこの曲ですが、ELPの楽曲の中でも楽器の暴れ方がトップレベル。
また、かなりポップなのも特徴である。第一印象はまるでサーカスに来たかのような気分になる。
そして注目は第一印象の後半のギターソロ。ELPってギタリストいないのでは??とお思いでしょうが、実はベースのグレッグレイクはギターも弾けます。
しかも、ここで聴けるギターソロはロック史にも残るようなスリリングなギターソロ。
第二印象は打って変わって、少しシリアスになる。細かいキメの応酬にユニゾンがあり、楽器隊が暴れ回る。相変わらず落ち着きのないプレイスタイルの三人ですが、これがELPスタイル。
キースのロングソロもあります。途中でジャズスタンダードの「St.Thomas」を挟む遊び心が憎い。かなり暴れ回るのでキースのキーボードプレイを聴きたい方にはおすすめ。
第三印象はラストに向かっての大団円といった感じ。
この曲が凄いのは30分通して全く無駄と感じる部分がないこと。展開も多いのだが、全部しっかりと繋がっていると感じさせられる。
プレイ的にも演奏陣は暴れ回っており、スリリング!!
ELP初心者には特におすすめである。
クラシック曲、「展覧会の絵」をELP風ロックアレンジしてしまった、とんでもない作品。
上記2アルバムと並ぶELPの名盤。
元々ライブで弾いていた音源が海賊版で出回り、あまりの評判で正式にリリースすることになったもの。
リリースされているものもライブ音源である。(ライブ音源なので、当然演奏は荒い)
やはりキースのセンスはぶっ飛んでいる。。。。。
聴きやすさで言えば、恐怖の頭脳改革>展覧会の絵>タルカス、というのが感想なので適当なものから聴き始めてみて下さい。