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Marcus Miller(マーカスミラー)

マーカスミラーの画像


現代最高峰ベーシストである、Marcus Miller(マーカスミラー)。

ベーシストでありながら、作編曲・プロデュース等をこなす総合的な能力を備えている音楽家。
バスクラリネット等、ベース以外の楽器も弾きこなすことができる何でも屋。

ベーシストとしては、ポップスからフュージョン・ジャズまでこなす超売れっ子ミュージシャンである。
特にマイルスデイヴィスに見出されたことが有名であろう。他にも日本では渡辺香津美のアルバムに参加している。
ソロ活動でも作品を多く発表しており、頻繁にツアーを行っている。ベーシストとしての高い技術に、音楽性を兼ね備えた作品は高い評価を受けている。

またヴィクターウッテンとスタンリークラークとのトリプルベース編成のバンド「SMV」も要注目。
現代ベース界最上位ベーシスト3人が揃ったスーパーバンドである。


ベースプレイに関してはスラップが特に有名であろう。
ドンシャリサウンドによるスラップスタイルは、ベース界に大きい影響を与えている。またピックガードを利用することにより、細かなスラッププレイも可能となっている。32分を細かくちりばめてリズムにアクセントをつけるそのベーススタイルはとにかく圧巻。また、最近はサムピングアップも使用するようになり、スラッププレイにさらなる多彩さが加わっている。



こちらマーカスのスラップが十分に堪能できる動画。「Run For Cover」。
スラップ満載だが、テクニックショーにはならずあくまで楽曲としてのクオリティが高いことにもびっくりである。マーカスの楽曲制作能力は本当に高い。

ソロは圧巻。細かいリズムを挟むことによってのアクセントづけ、、、、テクニックが非常に高く注目されているマーカスだが、彼の何よりも素晴らしいのはリズム。リズムを自在に操って、アクセントやニュアンスをつけている。

マーカスを聴けば聴く程、その圧倒的なリズム感に驚かされる。微妙に音を後ろにずらしたり、タイトに弾いたり、、、、、曲によってリズムの位置を微調整することができるのである。



こちらは若手Hadrien Feraudとの共演動画。Hadrienは物凄く上手いです。
曲はジャコの“Continuum”。マーカスはジャコの影響を強く受けすぎて2年間程その影響下から抜けられなかったそうです。その影響から抜け出て現在のようなオリジナルスタイルを身に付けたようです。

指弾きにおいてもハイエンドが強調されている、“マーカス色”全開の音色。スラップのイメージ強いマーカスだが、指弾きにおけるニュアンス付けにも注目。
ブルースフィーリング溢れた、メロディアスなフレージング。そしてピッキングに強弱を付けたニュアンス付け。。。。。

マーカスの一つの特徴として、「メロディアス」という点も忘れてはならない。本当、テクニックなんてマーカスにとっては表現の一手段でしかないのである。




メロディ・テクニック・リズム・ニュアンス、、、、、マーカスは全てにおいて現代ベース界最高峰の能力を備えている。
まぎれもなく本物のアーティストである。




マーカスのソロアルバムは全て音楽的にもテクニック的にも素晴らしい。その中でも個人的にはかなりお気に入りの作品。

1曲目からいきなりぶちかましてきます。
E弦の開放を使ってのフレーズでマーカスらしいフレーズ。
32分を織り交ぜたフレーズですが、実際弾いてみるとそこまで難易度は高くない。
ある程度練習すれば弾けるレベル。
しかしマーカスっぽくは全くならない。
マーカスはやはりリズム感覚がすごい。
遅らせたり・ずらしたりと、音符の位置を自在に操ります。
そして曲終わりにスラップハーモニクスがあるのですが、これは運指は簡単ですがこのスピードで弾くのは至難の業。
マーカスは楽々弾いています。


2曲目もいかにもなマーカスの曲。
メロディを弾きながらここまでリズムを打ち出せるマーカスのセンスはやはりずば抜けている。
そしてベースソロがすごい。
マーカスはソロをアドリブで弾いているのですが、
全くアドリブに聴こえない。

天才か。。。。かっこよすぎる。。。

3、4曲目もベースが目立ちまくりのベースソロもありの曲。
でもマーカスはやっぱり作曲家としても非常に優れていて、ベースがこんなに出ていても曲としてしっかり成り立っている。
というか曲としての完成度もすごく高い。
うーんプロだ。。。


5曲目。たしかカバー曲?ロック色強めです。
ベースソロが相変わらず泣ける程かっこいい。
マーカスの特徴は、以外と真似しやすい部分も多いこと。
逆に言えば無駄なことをしていないということでもある。
スラップ好きはマーカスを聴くといいです!!
おいしいネタがいっぱいです!!

6曲目はまさかのクラシック曲をカバー。
最初、マーカスの独奏から始まります。和音を織り交ぜてオシャレです。
マーカスのソロはまた、しっかりと曲の雰囲気に合ったソロ。
本当に音楽的です!!そして全く即興に聴こえない。

7曲目はタッピング?から始まる。
きっとタッピングだと思う。
ベースもメロディを弾く役と、ラインを弾く役で多重録音している。



以降の曲。。。。あまり真面目に聴いていないので解説できず。。。


しかしやはりマーカスは抜群に巧い。
マーカスの作品はベースソロが多く収録されていますが、、、、
とにかく素晴らしいのは全く即興に聴こえないことである。まるで前もって用意されたかのような、起承転結のはっきりした完成度の高いソロ。
彼はガイドポストと言って、ソロ中の決まった小節に必ず「自分の中で決めた音」を弾くようにしているそうである。彼のソロはニュアンス付け、フレージングという点で大変参考になります。



マイルスデイヴィスと活動しているマーカスのプレイが聴けます。
現在よりダークな音のマーカスが聴けます。ボトムをしっかり支えている裏方に回った時のプレイを聴けて、これまた素晴らしい。
マーカスがマイルスの前でスラップを弾いた際、マイルスに「お前スラップもできるんだな。」と言われたそうです。
つまり、マイルスにとってマーカスはスラップ抜きで素晴らしいベーシストであったということです。
実際この作品でのマーカスの演奏を聴けばその気持ちもわかります。



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