Chuck Rainey(チャックレイニー)
ソウル・R&B界のファーストコールベーシスト、Chuck Rainey(チャックレイニー)。
チャックレイニーはセッションベーシストとして非常に高い評価を受けている。
主にソウル、R&B、ポップスのレコーディングにクレジットされることが多いが、時にはフュージョン畑でも活動する。
しかし、やはり歌モノレコーディングにおけるプレイが絶品。マリーナショウやスティーリーダン、クインシージョーンズ、アレサフランクリン等、、、、参加作品を挙げていったらキリがない。
プレイスタイルとしては、心地よいグルーヴに歌に寄り添うベースラインが特徴。James Jamersonの影響が強く見られるが、そこに独自の色を加えて、自己のスタイルを確立している。
また、ワンフィンガーでピッキングすることも特徴である。人差し指をピックのようにオルタネイトさせながらピッキングを行っている。ジェマーソンに「なんだ、その軟弱な弾き方は?」と言われたそうな(笑)
また、ダブルストップ等のコード弾き、スラップも堪能である。スラップに関してはそれほどハイエンドを強調せず、あくまでボトムに張り付いたスラッピング。
いきなりギターのようなコードストローク。その後始まるワンフィンガーによる16分フレーズは圧巻。やはりグルーヴ感が物凄い。
マリーナショウの傑作中の傑作。マリーナショウのボーカル、さらにそれを支えるバックバンド、、、全てにおいて完璧といえる程のアルバム。
ベースプレイとしては、「Street Walking Woman」がやはり圧巻。細かい16分の連続に、急に移り変わる3連のジャジーパート。
緩急激しい楽曲で、短いながらとんでもない緊張感を持った曲である。
その他は打って変わってマイルドな曲が立ち並ぶが、「you talt me how to speek in love」や「feel like makin love」等傑作バラードのオンパレード。
マリーナの声に、そっと寄り添うチャックレイニーのプレイは絶品の一言。バラードにおけるベーシストのプレイのお手本である。
ストイックなプロデューサーコンビ、Steely Danによる作品。
数多くのミュージシャンが参加している作品である。この時代のトップミュージシャンを全員集めて、一人一曲弾かせてみました。というようななんとも贅沢なアルバム。
これだけのメンバーを集めることができるこのコンビはやはり凄い。
一曲ごとにメンバーが総入れ替えする程の勢いの中、チャックレイニーはほぼ全曲参加している。
AORにおける大人なプレイが聞くことができる。
「Peg」では、スラップを禁止されていたにも関わらず、後ろを向いて隠れて弾いた、というのは有名な話。
また、ベースプレイではないが、「Aja」におけるSteve Gaddの演奏は伝説。
ベーシストのみならず、ミュージシャン全てにおすすめできるアルバムである。